「 木屋響子 アコースティック&マリンバ弾き語り LIVE 」
    (1999-12-11 於・高円寺 ペンギンハウス)

    「そう、あの狭いところなんですヨ〜」とは、1999年11月1日公演で話されていたKYOKOさんのMCです。年の瀬が押し迫る12月11日、夏の阿波踊りとラーメン激戦区として有名な高円寺の純情通商店街にある「ペンギンハウス」でアコースティック&マリンバ弾き語りライブです。店先は、入口だけがポコッと顔を出していおり、右隣はコーヒーショップ・左隣がお好み焼き屋という「そこにライブハウスがあるのか!?」と言った趣のロケーションです。

    私は、ここで行われた復活2回目ライブを諸般の事情で逃してしていたので、今回はリベンジの心境で行ってみたのですが、午前11時段階ではKYOKOさんはおろか、店員さんすら来ていません。無論、気合いの入れ過ぎなのです。ワタシ(笑)。
    そこで、昼食と古書店巡りをしてきた後、店の前で車に乗ったKYOKOさんと店の前でバッタリ…でした。かつて「片目のジャック事件」で、ドライビングテクニックの怪しさを広めてしまったKYOKOさんですが、あの狭い路地を危なげなく進めていったところを見るとフツーであれば結構上手いんだと思います(周りが逃げたというツッコミは略)

    開場前には、商店街の目抜き通りまで延びる大行列となり、本人よりお客さんの方が道行く人々の注目を浴びることになりました。その節はお騒がせしました>商店街の皆様 (^^;)。
    さて、開場してみると噂に違わぬ狭い店内…、普通の入り方ならイイトコ30人も座れば満席といった感じです。全ての座席が程なく埋まり、立見が出るようになりました。入ったときには、すでにKYOKOさんとご一緒にいた方がステージ(といっても演台が無いのだ)にちょこんと待っておられました。今回は、前回に続いて黄緑色の表紙によるCD-Rが頒布されており、こちらも盛況でした。早い時間から待っていた人はドリンク調達に出てきたKYOKOさんとお会いできて気が付いたのですが、今日のKYOKOさん(^^;) 少しガングロ気味なのです。ご旅行に良く出られるので海外で焼いたのでしょうか…それとも…。

    さて、DMには「アコースティックライブ」となっているのですが、マリンバの後ろには何故にかハードディスクレコーダー…。開演は予定より少々遅れて15:13。BGMがフェードアウトしたと同時にスッとマリンバを構え、激しく打ち下ろす「夢のつづき」からのスタートです。

    スタート2曲を弾ききってから一息入りました。すかさず「本当は Sunctusまで行くんですけど体力使うんですよ」とKYOKOさんニヤリ。場内、ちょっと湧いたりします。「マリンバは見ての通りで運ぶのにも体力使うんです。だから必然的に(?)筋肉が付いてたくましくなってしまうんですね。でも、21世紀はたくましい女性の時代ですから!」う〜ん、T嶋Y子級の発言に観客ヤヤ受けの一コマでした。これと付随して、ZABADAKの吉良さんに古いアルバムを見られてから
    「修正してない?」
    とあらぬ疑い (^^;)を掛けられたとか…そうか、あらぬ疑いだったんだ…

    KYOKOさんのマリンバ捌きを間近で見て気が付いたことがあります。我々が小学校の音楽などでやった木琴・鉄琴と弾く時のスタイルが違うな…と思っていたのですが「腕が必要以上に上がっていない(基本的に滑るように動いている)」ことが挙げられます。
    勿論、今回の出だしの「夢のつづき」のように上下に激しく打ち下ろすのも有りなのですが、曲中の腕の動きは基本的に水平方向になって、あとは「腕」より「手」の次元で捌きをこなしているといったところでしょう。端から見ると「流れるような」動きはここから来ていると見ました。

    さて、7曲目からお隣に座っておられた諸星さんが加わってマリンバ連弾が始まりました。音大打楽器科(どうもKYOKOさんと同じ大学らしい…)ご出身の方で、かの「カルチャースクール・シンガーソングライティングコース」の生徒さんでもあり、マリンバ教室の生徒さんでもあるそうです(この辺、間違っていたらフォロー希望… ^^;)。場内のどなたかが「かわいいねぇ〜」とつぶやいていたのを私は聞き逃しませんでした(蛇足ですが私もその意見に1票追加<笑>。ね、某Jさん)。
    1人より2人ということと、ハードディスクレコーダーのサウンドフォローもあって、聴き応えのある厚みのある曲が続きました。

    さて、次のパートです。KYOKOさんの場合、MCの定型句として「いつも曲を書いている」ことが周知の事実になっており、密かに「ストックはどのくらいできたんだろう?」という謎も生まれつつあります(ちなみに復活ライブの頃の時点で「200曲近くのストック」があったらしい…木村社長・談)。絵ゴコロ・音ゴコロの無いあたしにゃぁ判らない世界です(汗)。
    コンピレーションアルバム「ガイアの歌」以来、CDが出ていないことから次のCDの進行状況については関心が集まるところですが、KYOKOさん曰く「曲は書いていてるし、サンプル作って彼方此方送ってるんですけど、なかなか決まらない」そうです。故にサンプルで送る曲には雰囲気を変えて(先方に合わせて?)オクターブを落としている曲もあり、10〜15曲目がその辺の曲になりました。
    今までの曲に関しては、マリンバアレンジを加えたりして、ゆくゆくはグレゴリアンチャントとアップテンポなイメージを融合した曲を出してゆきたいという抱負を語っていました。

    マキシシングル「WATER-BLUE」ですが、1曲目「Water-Blue」はあの時点で未だ中途の曲であるというお話でした。最終的には一連のつながりが物語になるような曲になるということです。
    年またぎの引っ越しを貫徹(笑)したことは、上野洋子さんとのライブで語られた事でしたが、それからほぼ1年、またしても(苦笑)引っ越したそうです。夜中に曲が思いつくとそのままピアノに向かってしまうので、近所の苦情もあってやむなく引っ越したとか。KYOKOさんが語るに「引っ越し貧乏」…。しかし、過去のMCでは自宅にスタジオがあったという話も出ていたはずで…謎は深まるばかりです。

    次のコーナーです。何と今回は「リクエストコーナー」を打ち出してきました。「どんな曲でも、ピアノでもマリンバでもやりましょう!受けて立ちますよ!!」これには正直なところ、我々観客の方が驚きました。確かにちょっと前の回で「Spanish Girl」をやったときも、お客さんとの手拍子を絡めた演出などがありましたし、一方的なステージからは少し抜けた企画のようです。それもあのKYOKOさんがハッキリ言い放つことからすれば、決して思いつきではないと考えられます。

    さて、このリクエストですが、ここぞと挙がった1曲目は「ガイアの詩」。復活ライブの頃は朗読バージョンとしてヤキモキさせた曲ですが、バシッと歌い上げていただきました。次が「グリーンな風の中で」…前々からコアなファンの中でも「聴いてみたい曲」の上位に食い込む曲であり、記念すべきファーストアルバムのサブタイトルになっている名曲です。KYOKOさんは歌詞にイメージカラーを非常に明確に出すパターンが多く、前の「ガイアの詩」が「青の時代」なら「グリーンな〜」は、KSL初期を象徴する「KYOKO・緑の時代」の最右翼でしょう。ピアノの旋律もたおやかな1コーラス…私の側で常連の某Mさん大泣きでした。その次はたまに演奏される「孤独のobjet」…マリンバを構えて一気に弾こうとしたのですが、どうにも乗り切れません。何回かトライしたものの、最終的には「この次の宿題と言うことで…」と言った瞬間、場内全体が
    「うぉ〜っ」
    というどよめきが起きました。一体、何を期待したんでしょうね?みなさん…(汗)。

    次の曲は「STAY ON THE EARTH」…CD文庫「火の鳥」に収録されている曲です。歌詞のスケールが大きい(と言うよりバカでっかい… ^^;)ので、うっかりピアノだけとかマリンバだけでは世界観の表現は難しいのでは?という心配を踏まえつつも…KYOKOさんマジです。考えてます…このときまで、我々は演奏をどうしようか考えていたと本気で思っていました。しかし…
    「え〜と...歌詞、出だし、何でしたっけ?」
    前代未聞級の発言に、一同して「よほどの大物か…それとも…」と本気で心配したことは言うまでもありません。
    KYOKOさん、本気で悩んでます…つまりはアタマの中に「曲の引き出し」というのがあって、似た傾向の曲同士が重なるとゴッチャになってしまう…というコトらしいのです。故に、似通ったメロディーラインの曲で頭の中が固まっていることがあるのか…と、このときに疑問氷解した人も少なくありません。

    おもむろに後ろを見遣るKYOKOさん…「次の曲でラストなんですけど…あ、あちらに…」どなたかおられるようです。いつもはギターをされているKOPPEさんです。客席後ろでもぞもぞされています( ^^;)。それほどに狭いハウスにも関わらず…呼び出してます。まぁ、昔の「ナマ御大(被害者:某Bさん)」に比べたらまだ良いのかもしれません。
    さてさて、ご本人を呼びだしてギター伴奏付き「Maria」を考えているようなのですが、さすがにギターを全く調整していない状態なのでもう手元てんやわんやです。そんな準備しながらすかさず「頼むからさぁ、演奏しながら編曲しないでねぇ〜(爆)」という一言。なるほど、KOPPEさんそれはさぞつらいでしょうね…。でも、それでも合わせるところが凄いところです。

    ラストの定番曲「Maria」が終わったのですが、どうにも歯切れが悪いです。そりゃそうでしょう、終わったのに出演者が前に居たら帰るに帰れませんがな(笑)。そんな「土管の猫」状態を何とかしようと言うことで「PHOENIX」と「Fire Bird」を追加演奏してどうにかお開きになりました。この後、時間も時間ですから店の前でスタッフ・出演者・(濃密な)ファンをまとめて付けて大出待ち撮影会が繰り広げられたことは言うまでもありません。ちなみに、私の撮影分ですが…シャッターユニットの暴走で画面左が切れてしまっていますので(はずかしっ!)、心当たりがあって希望する人だけ閲覧と言うことでカンベンしてください。


    開演・15:13

    1・夢のつづき
    2・もう一度めぐり会う日まで
    3・Sanctus
    4・Kyrie
    5・白い道
    6・ちいさな舟で
    7・夢のつづき(マリンバ連弾…以下:M)
    8・Sanctus (M)
    9・Water-Blue (M)
    10・一秒の無重力から生まれ変わる一日
    11・アラベスク模様の運命(M)
    12・舟 唄(M)
    13・月の石がみている夢
    14・遠い国から
    15・無実の罪
    (ここからリクエスト)
    16・ガイアの詩
    17・グリーンな風の中で
    18・孤独の Objet(不発)
    19・STAY ON THE EARTH
    20・Maria
    -----(EC)-----
    21・PHOENIX
    22・Fire Bird

    終演・17:02
    --------------
    メンバー
    ・木屋 響子(Vo.,Marimba.,Pf.)
    ・諸星 宏美(Cho.,Marimba.)
    呼出ゲスト
    ・宮川 浩一(G.)(Marimba.未遂)

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