「 KYOKO Sound Laboratory NEW YEAR LIVE
    with YOKO UENO 」

    (1999-01-04 於・原 宿 クロコダイル)

    年賀状には初春なんて字も躍りますが、この日は特別に寒かった…。そんな日にもめげず、原宿クロコダイルで新年早々1発目のライブです。今回はZABADAKの上野洋子さんがゲストになっており、事前予告の前評判もあってKSLのファンと上野洋子ファンの間で一大座席争奪戦が繰り広げらることになりました。
    我らがKSLファンサイドの行列斬り込み隊長を自認する某氏は、15:00に1番乗り到着という大戦果を挙げたにもかかわらず、至近のコンビニを求めて原宿駅まで行ってしまいました。タッチの差ながら、その間に上野洋子ファンに先頭を取られるという革命的敗北を喫してしまいました。実は、この店の並びにコンビニが1軒…あったのですが…。

    多くの人が事前に並んだにもかかわらず、店側が整理券を発行して行列を手際よく整理したおかげで大した混乱もなく、開場直後にほぼ全ての座席が埋まりました。正月休みが使えたので、久方ぶりの方の顔も沢山・多くのライブハウスに通い詰められている方も沢山…いろんな意味で話題性のある公演です。
    開演はほぼ予定通り、20:05からとなりました。颯爽と登場したKYOKOさん、今日はレッドのシャツで登場です。ハードディスクレコーダーも頼もしげに1曲目の無題〜鳳凰の彫像から行くはずが…げ、インカムが飛んでます。本人、ちょっと焦ってつなぎ直しながら歌うという慌ただしいスタートとなりました。

    途中、舟歌まで一気に歌い進みます。2・5・6は半ばセットのような曲群ですが、その間に入った「風の中のマリオネット」「ねこの子守歌」がいい味を出しています。この2曲、好きな人は熱狂的に「好き」なタイプです。ゲストの上野さんの雰囲気に合わせて入れたのかもしれません。
    ちなみに、左の写真は「ねこの子守歌」の時のKYOKOさんです。知っている人は知っているのですが、KYOKOさんは曲によってかなり顔の表情を変えています。その真骨頂は、この後に起こるのでした。

    ここで一息のMCが入りました。前回のライブから1週間余しかありませんでしたが「6日で引っ越しました」…場内は「もう何と言っていいやら」状態。あきれるやら感心するやら…とにかくKSLファンでも「目がテン」になってしまう行状…もう解りません(笑)。そして、ライブの打ち込みやら準備やらで年の瀬はコンビニ弁当やら生鮮割引品で過ごしたということです。その他は「曲書き〜の」という近況をサラサラと流しました。

    7〜9曲目を熱演の後、いよいよやって来ましたマリンバ。1997年の「復活ライブ」から見続けている濃いファンは知っている、KSL的楽しみ方がこれです。最初は「もともとはアフリカの方が起源でぇ〜、よく木琴のお化けなんて言われるんですけど…」なんてニコニコしながらおもむろに取り出したバチは1・2・3・4…6本。それを慣らし運転のごとく軽く流しながら喋るのですが…だんだん顔がマジになって行きます。

    そして、マリンバによる「夢のつづき」となりました。会場のあちこちからざわめきと感嘆ともつかない声・声・声…。おそらく、上野さん目当ての方だったのでしょう。そして、こちらサイドとしては「鬼気迫るKYOKO」さんを堪能させていただきました。

    第1部と第2部の間にはなんと30分の休憩時間が…。これは予想外であり、遠方から来ている人は大幅に予定を変えざるを得ませんでした。さてさて後半ですが、まずは新年らしい新曲を披露してから、いよいよ大多数の(?)人が心待ちにしていたゲスト、上野さんの登場となります。キーボードの前にちょこんと座ったKYOKOさんが「上野さんです、どうぞ〜」と呼び出しました。楽屋からするすると上野さんが出てきました。ファンのグループから割れんばかりの拍手と歓声、観客から見てステージ右手の席に座りました。

    開口一番、KYOKOさんがどのように上野さんを紹介するかは密かに注目だったのですが、お見事!
    「こちら、ZABADAKのぉ〜」
    「やってくれましたっ!」と思いながらも凍り付く顔をする観客、の顔・顔・顔…
    やめました
    …会心の大ボケ紹介と手慣れたナイスフォローで会場が一気に脱力したことは言うまでもありません…。ここからはKYOKOさんと上野さんの仕事での接点や、今回のライブ実現のいきさつ(KYOKOさんが上野さんのライブを見に行ってからだそうです)・仕事での話や近所づきあいに近い仲だとか…等々、途中に曲を交えながらまったりとしたトークが流れたのでした。

    そしてCDでお約束の「メリーゴーランド」、今回のライブのためにKYOKOさんが書き下ろした「ちいさな舟」、KYOKOさんがマリンバ奏者だということを知った上野さんが作ったマリンバ協奏曲「踊る木の人形(別名・踊るワラ人形)」の連弾・谷山浩子さんの「月と恋人」等々、楽しい曲を沢山披露してくれました。
    そして Wateric Song をベースにしたインプロビゼーションでは、KYOKOさんと上野さんがアルトとソプラノを代わる代わる詠う、長い曲となりました。途中、アフリカンになったり「Aの悲しみ」張りのハードロック調に曲が転調しながらも最後は Wateric Song に戻って締めでした。

    長かったライブもいよいよ最後の曲になりました。KSLライブの定番「Maria」そして再びアンコールで「踊る木の人形」を演奏して、無事終了となりました。終わってみると23:00(!)。すでに遠方の方は撤収してしまい、運良く残れたファンも全員、終電ギリギリで家路へつくこととなりました。


    1・無題 〜鳳凰の彫像
    2・Soldier In The City
    3・風の中のマリオネット
    4・ねこの子守り唄
    5・アラベスク模様の運命
    6・舟 歌
    7・一秒の無重力から生まれ変わる一日
    8・同じ Gender
    9・海を渡る風の唄
    10・夢のつづき 〜マリンバスペシャル〜
    〜休憩(30分)〜
    11・HAPPY NEW YEAR'99
    12・月のいたずら
    13・メリーゴーランド
    14・夢のつづき
    15・Sanctus
    16・ちいさな舟
    17・踊る木の人形
    18・Wateric Song 〜インプロビゼーション〜 Wateric Song
    19・月と恋人
    20・Maria
    -----(EC)-----
    21・踊る木の人形
    --------------
    メンバー
    木屋 響子(Vo.,Pf.,Key.,Syn.,Marimba.)
    上野 洋子(Vo.,Cho.,Marimba.)

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