「 木屋響子 Live 」
    (2003-01-03 於・原 宿 クロコダイル)

    本ライブレポートを作成するに当たってワラジンさんに記録のご助力を頂戴しました。御礼申し上げます。

    2002年初頭、「4月にはライブやります」と言い残して単身ヨーロッパ・アメリカへ旅立ち、そのまま音信不通にこそならなかったものの、一部のコアなファンをやきもき(部分的にニヤニヤ)させた響子さんの久々のライブです。

    アメリカに渡り、半定期的にオフィシャルサイトで状況や作品を伝え続けてきましたが、その作品をひっさげての帰国です。正しくは11月末に一旦帰国、その後CD発売準備を行っての新年ライブとなりました。

    しかも、1999年1月公演分以来の上野洋子さんゲストによるライブ…寒空にもかかわらずある者は14:00から並び、ある者ははるばる和歌山・四国から来場とファン側もまた難行苦行の連続です。

    ライブは20:00丁度、イントロは「ガイアの詩・グリーンな風の中で」をマリンバアレンジした部分からスタート。久々のマリンバ弾き語りですが、一部では大好評の鬼気迫る響子さんではなかったのが残念だったとか…(笑)。

    冒頭のマイクでは「雪降って来ちゃって、皆さんありがとうございます」とベタにベタを重ねて地でいった挨拶から、単身ヨーロッパ・アメリカへ渡りながら新曲を書いていたこと、新譜の「EDENA創世記」については手塚治虫先生の火の鳥を改めて読みながらの作品造りとなったことなど、トーク。

    レコーディングは下宿近くのスタジオ、一見民家然としたそこで行ったそうですが、そういえば日記でかなり困っていたこと、ありましたよねぇ?曰く「アメリカにはMOがなくて」…ええ、確かにアメリカじゃMOよりZIPですわな…。と言うわけで、ノートマシン用のカードディスクなどを使い、日本のプレス先と電話&小包でレコーディングデータをやりとりしてトラックダウン…5曲の予定が勢い余って7曲になったとのこと。

    このスタジオを紹介して貰ったのはビクターさんと言うらしく、どうにもあの蓄音機にワンちゃんのあっちが浮かぶのは私だけでは無かったようです。

    響子さんの場合、曲作りは色んな所で突然ラインが繋がる形らしく、昔のライブでもメモ帳が欠かせないと仰っていましたね。今回もそうだったようです。

    ええ、勇み足での曲数オーバーは歓迎します(笑)。

    手塚作品の絡みで、向こうさんから手塚治虫作品のカレンダーが送られてきながら余った3本を一足遅いお年玉、と言うことで唐突に抽選会となりました。そう、入場口でアンケートと一緒に渡された番号札がその抽選券。

    取り出したるはティッシュの箱。そういえば、1998年の吉祥寺スタパイ公演・1999年の渋谷La・mama公演で行ったときもティッシュの箱でしたよねぇ?(笑)この時当たった抽選番号58番の某Mさん、良かったですね。

    そのほか、以前からクラシック作品を基にしてインプロビゼーションしたり、別の曲を組み合わせたりする作品があります。アヴェ・マリアが「前略...Dear」だったり、「GEKKO」は文字通りドビュッシーの月光からだったりします、この後に演奏された「革命」もショパンからのモノだとか。

    再び、楽曲に戻ります。マリンバの弾き語りは響子さんがライブでよくやるものですが、このスタイルを初めてやったのはご本人曰く1998年頃とのことですが、記録に寄れば1999年の上野さんゲストの時ですので4年前と言うことになります。以前も話がありましたが、マリンバ奏者だった母君への反抗期というか対抗期というか…があったとか。

    実は、響子さんの代表曲の1つ「夢のつづき」あれは音大時代の宿題として作った作品だとか…と聞くと有り難みが薄れるような薄れないような…しかし、知ってる人は知っている「夢のつづき」の弾き語りの時の顔がとても怖い…と言うことを…。

    この後に行った英訳シリーズはこのヨーロッパ滞在中の試みで、TENMAはイギリス録音の作品だとか。しかし、イギリスでホームステイ先の親戚と喧嘩してしまったとは暴走族を向こうに啖呵を切った響子さんらしいといえばらしい?

    アメリカに渡ったときは往復100$の夜行バスを使ったとか…いや、よくぞご無事で…^^;。

    40分くらいの中休みを挟んで、後半のスタートです。ヨーロッパに行って作っていた曲群の話。「ReverOfSeine」はセーヌ川の川景色をみて急に懐かしい気持ちになったとか…って、以前にも「ジャスミンに眠る黄河の泡」で京都・鴨川の風景見て同じことを言ってませんでした?と言うことは、響子さんって…実は川景色に弱い?

    オフィシャルサイトについては紆余曲折が様々あったみたいですが、アメリカ国内では反戦デモなどが頻繁にされている様子はあまり出ていないことに日本に帰ってきてからビックリとか…。色々あるので、その辺は細かくアップしていないけどとは言っていたけど…。

    「雨に打たれてもLove&Peace」は2002年に行われたアフガン反戦コンサートの曲となったモノの、結局は表にならなかった曲。いわゆるボツって奴だそうです。

    そういえば、響子さん2002年は唯一このコンサートにだけは出ていましたね。あくまでも参考記録になってしまいますが… ^^;

    さて、後半も中盤にさしかかって、いよいよゲストの上野洋子さんの登場です。以前の登場が先に書いたとおり1999年1月公演だったので、まる4年目の出演になります。

    よくご存じの通り、上野さんは様々な作品やプロジェクトに参加されており、なかなか捕まらないと言うところからスタート。それでも、お互い知らない中じゃない(アルバム「月の石がみている夢」ではメリーゴーランドで上野さんがアコーディオン演奏している)ので、かつてはおせち料理を一緒に突いたという話も…。

    今回も出演交渉は国際電話で上野さんの携帯電話に掛けたとか…国際電話だと携帯には「UnKnown」が表示され、上野さんも「誰?これ?」と本気で身構えたとか…そりゃ、通話先が衛星経由じゃ焦るよなぁ…。

    上野さんの新譜「パズル」はアディエマス調のしっとりとしたアルバムとのことで「お年玉、還元してください」とは上野さんの弁。

    早速、上野さんの曲になる「胡桃鳴らす青空」を演奏。上野さんに「早く・早く」とせっつかれる所であります。ちなみに、この曲はとあるアニメ用の曲とのことですが(後日判明、「あずまんが大王」でした)。

    そして、密かに進んでいる話が、響子さんと上野さんの曲を含めてレコーディングしようか、と言う話。録音がライブ翌々日とかで、これが長引くとアメリカに戻れないという結構切迫した話らしく…。

    そして、個人的に「超泣かせ曲」になる「Someday」を演奏した後、以前にも実現した2人のマリンバ連弾曲「踊る木の人形(別名:踊るワラ人形)」です。これもCD化をしたい曲だとか…。コミカルでカッコイイ曲です。

    これが終わった時点で、2人は一旦楽屋に下がります。会場内は暗転、勿論烈しいアンコールラッシュです。この会場で公演の場合、どうしても開始時間の関係でどうしても終わりが遅くなります。そのため、遠方の人からは特に「我々には終電があるんだ〜!」と言う怨嗟にも似た烈しいラッシュが掛かります。

    そして、再び照明が入るとアンコール定番の「Maria」となります。しかし、これが終わってふたたび烈しいアンコールラッシュ、さっきより烈しいモノです。それこそ会場の一部からは殺気を感じます。

    再び出てくると割れんばかりの拍手。ちょっと時間が掛かったのは「曲、用意してなかった」からだとか…。久々の公演なので、みんな結構期待してるんですよ、もっとドッカンドッカン曲を用意してください、私もお願いしますヨ。

    こんな調子で終演はやはり23:00、外は雪寸前の冷たい大雨。野口先生親子もお出でになり、楽しい一時でしたが一言…。

    頼むから歌詞トチるのだけは勘弁して!

    以上、部分的に完となり、次が楽しみな新春公演でした。


    開演・20:00

    ----- 前 半 -----
    1:イントロ(ガイアの詩→グリーンな風の中で)
    2:火の鳥(望郷編・EDENA創世記)
    3: プロローグふるさと
    4: EDENA創世記
    5: Fire wings
    6: エデナの人々
    7: Escaping
    8:革命
    9:アラベスク模様の運命
    10:夢のつづき
    11:白い道
    12:GEKKO(Moonlight shadow)
    13:MU
    14:Happy year(Tenma)
    15:Happy酔夜
    ----- 後 半 -----
    21:45〜
    16:ひと粒の砂
    17:前略...Dear
    18:River of Seine
    19:雨にうたれてもLove&Peace
    20:ペールホワイトの街並
    21:月の石がみている夢
    22:Your way
    23:胡桃鳴らす青空(作曲編曲・上野洋子)
    24:Someday
    25:ちいさな舟で
    26:踊る木の人形(作曲・上野洋子)
    -----(EC)-----
    27:Maria
    28:即興Improvisation

    終演・23:00
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    メンバー
    ・木屋 響子(Vo.,Synth.,Marimba.)
    ・上野 洋子(Vo.,Cho,.Marimba.)


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