「 KYOKO SOUND LABORATORY LIVE 」
    (1999-05-12 於・原 宿 クロコダイル)

    前回のライブから約3週間、今回もクロコダイルでライブです。店員さんが出て看板を書き換えています。なるほど、「木屋 響子」さんが出演します(--;)。詳しくはライブ中にでもお話があるでしょう…。
    KSLのライブでは、毎回毎回いろんなCDやグッズが出土してはファンに引き取られてゆくのですが、今回も"一人で聞くとドツボにはまること請け合い"の「月の石がみている夢」プロモーション盤が出ていました。薄いCDケース(洋盤やマキシシングルでよく見掛けるあれです)に事務所の連絡先・プロモ担当者名等が書かれている「業務用」です。

    開場後、ゆったりと客席は埋まってゆきます。めいめいが思い思いのポジションでくつろいでいる横をKYOKOさんがススッと抜けてゆく一幕もあったりしました。う〜ん、この辺が何ともローカル (^^;)。
    ふと床を見遣ると深紅のショルキー、AX-1が沈んでいます。前回は見なかったので新規増備の楽器群なのでしょう。ちなみにKYOKOさんのライブの場合、ステージ上はケーブルが乱舞する修羅場となっています。近くで見ていると「よくコケないよなぁ」と思うときが多いです、マジで。
    そのあおりで、インカムのケーブルが絡んだりキーボードのコネクタがすっぽ抜けている時もあるのですが、これはライブアクシデントの醍醐味ということで…。

    今回は20:00ジャスト開演です。結局、お客さんは30人ほどとなり、コアなファンであれば大喜びに近い濃密さになることでしょう。舞台左手の楽屋からKYOKOさんとコーラスの吉田さんがおいでになりました。KYOKOさん、舞台上でスッと軽い深呼吸(どういう表現なんだ)をして、おもむろにAX-1を担ぎます。そして「Zeroの惑星」から始まりました。

    今回は、前回と違って曲の間にトークが入った形式のようです。前半のハイライトとしては「木谷響羽子」から「木屋響子」へ改名し、これで名前を変えることは打ち止めであること、「ZABADAKお披露目ライブ」への参加、同じく8月公演への参加が軸のお話でした。それ以外ではレコーディング中心の活動となり、単体のライブはしばらくお休みということでした。
    ちなみに、前回今回と続けてコーラスを務められている吉田亜紀子さんですが、普段は別グループのメンバー(確かブラック系統だったかな?)で活動されており、呼ばれたときにお手伝いするような感じだそうです。でも、KYOKOさんの声と良くマッチングしていい感じです。

    かつて「復活ライブ」を行った頃は、ラジオ時代さながらの絶望的なトーク下手ぶりを遺憾なく発揮していたKYOKOさんですが、古賀師匠やコッペさんに鍛えられて鍛えられて…今はそれなりに笑いを取ったり、絶対零度の寒いギャグを狙って出せるようになったという噂(あくまでも噂ということに)です。
    今回は狩って飼っている子犬の話がありました。知る人ぞ知るCT「月刊ファミリーコンサート」に収録されている「ピーコシリーズ」の中で、「ハチ」と言うイヌのキャラクターが登場します(結構カワイイのだ)。そのせいかどうか、現在飼っているワンちゃんに「ポコ」ってな名前を付けいるそうです。しかし…呼ぶときに「ポコ*ン」はやめなさい「ポコチ*」は…。自分含めて、かなりの人が2.53歩は引いたことは確かです。

    そして、これから考えている曲の構想や方向性についても多少のトークがありました。吉田さんと縁は、さる病院へヒーリングミュージックという形で慰問に行ったときからだそうです。これに限らず、KYOKOさんの楽曲には、いかにも「それ」な曲が多いことはファンなら周知の事実です。どなたかが評していましたが、上野洋子=妖精・遊佐未森=天使・KYOKO=聖母という式は確かに言えることでしょう(これに新井昭乃さんやら谷山浩子さんが加わったら、完全な「マニア殺し」成立といわれている)。

    さて、後半です。マリンバを軸にした泣かせる曲群が続きます。ワンパターンと言わないでください…「Someday」で泣かせてください。ちなみにこのショットですが、KYOKOさんがお好きな「青」に引っかける意味合いで、ヘタなりに狙ってみたものです。このような角度にライトが入るタイミングは、ライティングの関係でなかなかありません。本サイトのトップに使っている画像は、このショットを使っております。

    「海を渡る風の唄」が終わった後でMCに入りました。「最近つらいことが多いです。」…おや、今までとはちょっと違います。飼っていた小鳥がカラスに食べられてしまったこと、そして、デビュー時に組んでいた人の死を知ったこと…方向性の違いからケンカ同然で別れてしまった人がおり、友人づてに消息を尋ねてみたら亡くなっていたこと。自分が実は悪いことをしていたのではないか…と言う想い、そのような様々な気持ちを曲として詩として形にしてゆくこと、会場内はしわぶき一つ聞こえない空間となりました。

    「でも私は、彼女の分もしっかりと歌い続けること、曲を作り続けることが一番大切なことだと信じ、これからも頑張ってゆきます」と言う力強い言葉に共感のエールと拍手が送られました。その後はアンコールまで、少し涙ぐみながらも丁寧にゆっくりとした唄い方で流れて行きました。この後、ZABADAKサポートメンバーとしての活動も加わり、これまで以上に多忙な日々が送られることと思います。今日は曲目こそ「Kyrie」 が抜けているだけで前回と同じながら全く趣の違う、心に残る公演になりました。


    --------------
    1部 開演20:00
    --------------
    1・Zero の惑星
    2・魔法つかいの朝
    3・ねこの子守歌
    4・孤独の objet
    5・霧の向こうへ
    6・PHOENIX
    7・Soldier In The City
    8・HERO
    9・ASKA
    10・アラベスク模様の運命
    11・同じ Gender
    12・A の悲しみ
    13・舟 歌
    --------------
    第2部 開演21:38
    --------------
    14・夢のつづき
    15・Sanctus
    16・ちいさな舟で
    17・Someday
    18・ひまわり畑の雨上がり
    19・大地の唄
    20・海を渡る風の歌
    21・もう一度めぐりあう日まで
    22・ガイアの詩
    23・Water-Blue
    24・True
    25・Walking In The Blue Sky
    26・GROLIA
    -----(EC)-----
    27・夢のつづき
    28・Maria
    --------------
    メンバー
    木屋 響子 (Vo.,Syn.,Key.,Marimba.)
    吉田 亜紀子(Cho.)

    ●トップページに戻る●